黒毛和牛/国産豚肉
新年明けましておめでとうございます。令和3年1月7日に一都三県緊急事態宣言が行われました。昨年より波乱の年になるのは想定していたものの、急激なコロナ感染者が増えた事もあり、医療崩壊も懸念される中で先行きが見えないのが現状です。前回は巣篭もり需要としまして、食肉に関する消費動向は悪くない状態でした。ただ、外食産業はダメージを受け、今回も同じ環境が続く傾向です。1月の需給動向から見て参りたいと思います。
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農畜産業振興機構 畜産振興部
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〈令和3年1月の需給展望 牛肉〉
年末年始の小売り需要はマチマチ、相場高騰の反動の懸念も緊急事態宣言やGo To停止で和牛・高級部位は苦戦か
新型コロナウイルスの新規感染者数が増加するなか、2020年12月の牛枝肉相場は行政の支援事業の効果も手伝って買いの動きが一服することなく、第4週目までジリ高に推移した。結果、12月の月間平均相場(東京市場)は、和牛去勢A5で2,906円(前年同月比143円高)、A3が2,387円(同376円高)と前年実績を上回り、2019年に匹敵する価格を付けた。
年末年始の末端需要は帰省の自粛やGoToキャンペーンの停止、一部地域では大雪などの影響もあり、地方の観光業、飲食店が苦戦し、量販店の販売も振るわなかったもようだ。
都市部の量販店では人口流出が少なかったため、歳末大売出しでは例年以上に和牛・国産牛の売り込みを強化した企業が多い。結果、スライス・切り落とし系はもちろん、焼肉も好調だった店舗がある半面、プラスながらも期待したほどの数字にはいかなかった企業もあるなど、都心部の量販店でも温度差が生じたようだ。
このような環境のなか、問屋筋ではすでに12月の相場よりも概ね2割程度安い見積もりで納品を決めており、補助事業があるとはいえ、中間流通サイドはかなりの逆ザヤに苦しむ状況となった。
1月から2月は例年、牛肉消費が落ち込む時期。だが、今年は1都3県で緊急事態宣言が発出されることとなり、例年以上の落ち込みが懸念される。GoToトラベルの一時停止も延長される見込みのため、ホテルなどの地方需要も厳しいと予想される。
国の「国産農林水産物等販売促進緊急対策」による学校給食での利用や、同事業の「地域の創意による販売促進事業」が追加公募されるなど好材料もあるものの、ここ2カ月の高値相場の反動もあり、和牛の上位等級やロース、ヒレなど高級部位は苦戦を強いられると想定される。
〈供給見通し〉
農畜産業振興機構の牛肉需給予測によると、1月の成牛出荷頭数は和牛が前年同月比3.8%減の3.3万頭、交雑種が同3.4%減の1.8万頭、乳用種が同7.3%減の2.6万頭と予想している。
全ての品種で出荷頭数の減少が見込まれるが、11月から12月にかけて予想以上に相場が高かったことから、早出ししたケースも考えられ、さらに、緊急事態宣言に関する報道を受けて出荷を控える動きも想定される。輸入品もチルドが同4.2%減の2.0万tと少ない予想だ。
〈需要見通し〉
年末年始は、前述の通り、量販店では例年以上に和牛・国産の販促に力を入れ、一部、年始の店舗休業による消費者の買いだめもあり輸入牛もマズマズの動きだったようだ。ただ、国産・輸入ともに年明け後の末端の発注は少なく、静かな動きとなっている。
緊急事態宣言をめぐる動きもあり、問屋筋も例年以上に慎重な対応となっている。飲食店の営業短縮やGoToキャンペーンの停止が延長された場合、単価の高い和牛上級物や、交雑、ホルスを含めたロース・ヒレの販売は苦戦を強いられそうだ。
その半面、スソ物中心に学校給食や宅配の利用、量販店ではスライス、切り落とし、ひき材関係の需要は底堅いと予想される。和牛の相場高から、再び交雑種、ホルスに回帰する動きも強まると予想される。
〈価格見通し〉
今後の枝肉相場は基本的に下落相場となるが、緊急事態宣言下での消費動向と、行政の支援事業の利用を含めた来期の各社の方針にも左右されるといえる。
2021年春の小売需要は2020年のような特需は見込まれないと想定され、春先に向けた凍結在庫の確保もよほどのことがない限りは無理な買いは避けたいとみられる。
少なくとも2月にかけては、足元の状況を見ながら柔軟な買いの動きが予想され、1月の月間平均相場は和去A5で2,700円前後、A4で2,300円前後、A3で2,200円前後まで値下がりし、交雑去はB3で1,600円前後、B2で1,450円前後、乳去は990円前後とほぼ横ばいと予想される。
〈畜産日報2021年1月8日付〉
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〈令和3年1月の需給展望 豚肉〉
緊急事態宣言で堅調な需要続く、出荷頭数少なく相場を下支え
〈後半にかけてジリ下げも、月間平均で450~460円前後か〉
2020年12月の豚肉需給は、出荷頭数が順調に推移した中、実需は引続き底堅い内食需要に支えられ、バラ、カタロース中心の動きとなった。豚枝肉相場は東京市場の月間平均で上物税抜き496円(前年同月比25円高)となり、2020年は3月以降、前年相場を上回って推移した。
第3週目までは500円を下回っていたものの、年末年始の手当て買いが強まった第4週目からジリ上げとなり、600円近くまで上昇。近年はご祝儀相場などもみられず、最終日は出荷・上場頭数も少なく急落するパターンとなるが、2020年の東京市場の最終日(12月28日)には、上場頭数も900頭を超え、相場は600円を超える高値を付けた。
新型コロナの感染者数が増加の一途をたどる中、年末年始は帰省や外食を控える動きに加え、寒波などの影響から買いだめ需要などが予想されたことで、最終日も買い気が強いまま推移したようだ。
1月は例年であれば、年末年始の出費の反動もあり、基本的に需要が鈍る時期となる。だが、ことしは1月7日にも首都圏1都3県に対し緊急事態宣言が発令されるなど、再び内食需要が強まることが予想される。
枝肉相場も1月は低迷する時期ではあるものの、出荷頭数の減少や、引続き旺盛な内食需要に支えられ、月間平均では前年相場を30~40円程度上回る、上物税抜き450~460円(税込み490~500円)前後と予想する。
〈供給動向〉
農水省が2020年12月18日に発表した肉豚生産出荷予測によると、1月の出荷頭数は139.3万頭と前年同月比で4%の減少を見込んでいる。1月は寒波の到来が予想されており、増体不良など今後の天候によっては出荷にも影響を及ぼすことが懸念される。
また、年末年始の休みが長いところで8日間あったことで、年明けの出荷については、一部で昨年末に出荷しきれなかった豚がいることや、枝重が重くなることで「上」物率の低下など、品質に差が出てくる可能性も考えられる。
農畜産業振興機構の需給予測では、1月のチルド輸入は同1%減の3万3,200tと3万t前後の輸入量と予測している。北米からの入船遅れが発生していることから、とくに月前半にはアイテムによってタイトな状況となることが懸念される。
〈需要見通し〉
2020年12月はバラ、カタロース中心の展開となり、ロースやヒレ、スソ物などの動きは鈍かった。年末にかけては量販店などで正月休みを例年より多く取る動きがあった中で、外出自粛に伴う買いだめ需要がみられ、売れ行きは好調だったようだ。
年明けとなる今週には各社、追加のオーダーが入っているもよう。1月も気温の低下に伴い、基本的にバラ、カタロースの引き合いが強いとみられる。一方で、年明けの節約志向や学校給食の再開により、モモやウデなどの切り落としや小間材などの発注も入りはじめている。さらに、飲食店への時短要請の前倒しなどで、さらなる内食需要の高まりが予想される。
〈価格見通し〉
ことしの東京市場は1月6日に初セリが行われ、上物税抜き555円(税込み599円)でスタートした。緊急事態宣言の発令に伴う量販店などの仕入れ強化や、「成人の日」を含む3連休に向けた手当て買いなどで、前半の枝肉相場は500円台を超え強気に推移することが予想される。
一方で、基本的には旺盛な需要が続くとみられるものの、緊急事態宣言も首都圏に限定されていることや、量販店などではある程度、消費動向が見極められていることなどから、後半にかけては相場もジリ下げに向かうものとみられる。2020年には400円を割る場面もみられたが、ことしは中だるみとなる時期も400円を割ることは考えにくい。このため、月間通しては上物税抜きで450~460円(同490~500円)と予想する。
〈畜産日報2021年1月7日付〉
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